We will sea _ 虚屯Fukuoka, JAPAN 2021.11.26 - 11.28

• 本プロジェクトは､北九州在住のアーティスト､ソー・ソウエン(Soh Souen)とオランダ在住のアーティスト､サラ・ミリオ(Sara Milio)によって､2021年5月に始まったパフォーマンスプロジェクトです｡

  このパフォーマンスは､約9,000kmもの距離を隔てた両者がzoomやSkypeなどのウェブミーティングサービスを用いて通信し､プロジェクションされた身体像と生身の身体によって繰り広げられます｡
  ライブ配信上で発生する《遅延》などの現象も巻き込みながら､わたしたちの間にある《隔たり》と《共有》について確かめ続けようとする試みです｡

  二人が同時に同じように動き､息を合わせようとするもののオンライン上のラグが隔たりを可視化させるシンクロのパート｡
  プロジェクションされた身体像のトレース､お互いのペン先を合わせて行うドローイングのパートは､会場に不在でありながらも線として存在の痕跡を残す意味をもち､仮想空間と実空間の可能性や限界に触れる機会となります｡

  関係性の中での信頼と齟齬｡バーチャル空間の可能性や､身体を有することの希望｡
  これらを両義的に含んだ内容は､グローバリズムや加速主義が《遅延》している今日に､問いとしてわたしたちという共同体のこれからの行く末について考えるきっかけになるのではないでしょうか｡

  そして､Covid-19によるパンデミックが峠を超え､国をまたぐ移動が再び可能になった頃､わたしたちはパフォーマンスを同じ空間で行うと､なにが見えるのか検証したいと考えています｡
  振り付けや方法論が生まれるまでのコミュニケーション/ディスコミュニケーションをも含め､一連のプロジェクトが､わたしたちの間に静かに横たわる《隔たり》と《共有》､その中で､” 他者と通じ合うことはいかにして可能か ”といった問いを提示できる機会になることを望みます｡

Photo by Kenta Nakamura, Miyuki Todo, and Aska Ota